「クラウド時代と<クール革命>」
最近、角川歴彦氏の「クラウド時代と<クール革命>」を読んだ。(以下まえがきより抜粋)
●iPadやキンドルがもたらす革命的衝撃とは?
今や急速なITの進歩と情報環境の変化が 「知」のグローバリゼーションを加速する。 その集大成「クラウド・コンピューティング」によって、 2014年に日本の産業構造は大激変するだろう。 その中で「ガンダム」を筆頭に世界で歓迎される 日本のポップカルチャーをはじめ、 「クール」「かっこいい」と大衆に賞賛される モノや出来事が社会を変革し始めている。 これが「クール革命」だ。 本書は情報産業最前線に立つ著者が、 激変する現代を「クール革命」の力で生き抜く道を、 現役経営者の視点で 模索し確信に至った覚醒の書である。
私は出版企業グループの経営者として長年、活字文化や出版を取り巻くさまざまな事象を見聞きし、研究してきた。しかしここ数年は、関心の大部分をIT技術やメディア産業の動向に奪われている。グーテンベルク以来500年もの歴史を誇る印刷・出版産業と比べ、ITの世界は移ろいがあまりに速く、ダイナミックだ。
こうした考えを書籍で伝えたいと原稿をまとめはじめてから2年余りが経過し、その間もIT業界やメディア産業では驚くような変化の嵐が吹き荒れた。走りながらの執筆ではあるが、最新の情報と、そこから浮かんだ新しい考察を可能な限り盛り込むよう心がけた。私と同じように変化の時代に立ち向かわなければならない経営者やビジネス、クリエイターたちとともに、「クール革命」時代を生き抜く道を今後も考えていきたい。
●本書を読み、出版界に関わっている私達は否応なく、まさしく100年に一度などの変化どころではなく、500年に一度の時代の変革に飲み込まれることになるようだ。書店に行かなくても電子書籍(小説から漫画・絵本まで)をインターネットから数分でダウンドーロして買え、iPadやキンドルでどこででも読め、教科書なども無くなる可能性まで出て来たのである。「本、または本屋がなくなる日」などと巷の週刊誌などの見出しが踊る所以である。
大事なものが失われて行く時代ではあるが、反面デジタルだからアイデアひとつで世界を相手に躍進することも夢でない時代。ない頭で色々可能性を探ってはいるものの決定打が出てこない。本書では2014年にはIT三国志の戦いでグーグル・Uチューブ・アップルのいずれかが覇者になり、他は消える運命にあるらしいのだが、さて私は生き残ってその結果を見届けられるのだろうか?見たいような見たくないような複雑な心境ではあります。
こんなことを書いていたら息子が横から、季刊雑誌「銀花」のようなクールな雑誌を終刊などさせないで、電子書籍でも良いから残すべきだったんじゃないの? それが団塊世代が次の世代に残す仕事だったのでは・・・、と叱責された。非力を恥じるいるばかりである。(ひょっとして、もしiPadで「銀花」の英語版をリリース出来たとしたら、日本の文化を紹介する数少ない雑誌として、世界で大評判になるかも知れない・・・と思うのは私だけだろうか?)