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本日 初回治療から丸4年

2012年 9月 9日 — 8:41am

◉2008年8月に『肺がん』ステージ4の宣告を受け、9月9日に肺がんの初回治療『化学療法《抗がん剤》』を受ける寸前に私のワガママ《訳あって頭髪が抜けない治療を要望》で、ステージ4は化学療法のみなのでステージ3aに変更して『放射線同時併用化学療法』《放射線強め+抗がん剤弱め》を1ヶ月間受けた。それから本日幸運にも転移などもなく元気に丸4年を迎えられた。

 

◉つい最近だが下の図を私と同じ『放射線同時併用化学療法』を受けた67歳男性の闘病ブログ『ある肺がん患者のつぶやき~よしの日記~』で発見してびっくり仰天。何故なら今まで私の知っていた生存率グラフは『各種抗がん剤治療法のaライン』だけで、bラインもある『放射線同時併用化学療法』の生存率グラフの存在すら知らなかったからである。

 

 岡山肺がん治療研究会での長期成績(モダン フィジシャン  Vol28  No6  877 図1)  

 ◉このグラフの縦軸は『放射線同時併用化学療法』を受けた患者の生存率を示し、横軸は治療終了後の経過年数を、そして生存期間中央値はほぼ2年であることを示している。aラインに乗った「悪辣進行がん」患者は終了後3年間で急激に生存率は下がり、半数以上が2~3年で亡くなっていることを示す。ところが3年を過ぎるとbラインのように生存曲線が緩やかになり大幅に生存年数が長くなっているbラインの線上に運良く乗った「大人しいがん」は残りの約15%で亡くなるのに11年以上を要している。すなわちbラインの線上に乗れば余命は11年以上も夢ではないということになるではないか。このグラフに私の経過を照らし合わせれば、図の黒丸あたりでbラインに乗っていることになる。先が全く見えなかった私に、にわかに信じられないことなのだが、運が良ければまだ6~7年余命があることになる・・・。

 

◉このグラフは岡山肺がん治療研究会の症例数92人による11年以上に及ぶ研究成果であり、類似の研究報告を探したが見当たらない。私の主治医にもこのグラフの話をしたら、「岡山医大は『放射線同時併用化学療法』に大変熱心なんですよ」と良~く知っていて心強く感じた。この4年間、『化学療法』の生存曲線であるaラインしか知らず、無知ゆえに2年生存率に残れるかどうかビクビクしていた私にとっては大変希望の持てるグラフである。このグラフ通りに大人しく進んで行くことを祈るばかり。

 

◉日本ではがんになると早期発見して手術しなければ治らないイメージが強いが、それは胃がんが多かった頃の20・30年前の話で、今や欧米では手術は少なく60%くらいは放射線治療《前立腺がん・子宮頸がんなどは全治可能だそうだ。ちなみに日本では放射線治療は未だに25%と少ない。この治療を受けた経験では確かに副作用は少ないし、費用も極端に安いし、今考えれば私の無知ゆえのワガママは大変運が良かったと言うことか・・・。

 

◉患者にとっては大事な生存率グラフだが、医者は進んで説明しようとは一切しない。誤解なく説明しようと思えば膨大なエネルギーが必要だから。入院患者はガックリしている人達が多いし隠す人までいて患者同士でも情報を共有出来ない。仕方なく個人でネットや本で調べるしかない。少しでも役に立つことを祈って患者自身がツライ体験を開示しているブログも沢山ある。しかし世界中に2人として全く同じという症例がないのががん。部位やがんの種類で治療が全く異なるため「助言は害悪」とまでハッキリおっしゃる先生《7年間毎日ブログを書いておられて含蓄に富む》もいる。長くがんと付合うと痛いほど分りその意見も一理あるので、ブログを続けたものか悩んだりもする。だが私は同病患者ブログから随分元気づけられ、がん患者にしか判らない情報も沢山得て来たので元気なうちは続けようと思う。

 

◉と、まあ未だに悟れることもなく、恥ずかしながらこんな一喜一憂・右往左往している弱虫なブログだが、がんに無知で同じように悩んでおらるかも知れない同病者の一助になればこのブログも幸運の極み。

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