リスタート2

 

足場を組んで1週間。最初は手作業で分別しながら解体が始まったが、ブルドーザーが入るとアッと言う間にさら地になってしまった。たかだか31年の歴史の我が家だったが、解体中の悲鳴に似た音が仮住まいにも聞こえてきてそれなりにツライものがあった。私が育ったのは京都駅から徒歩30分足らず、西本願寺近くの路地の長屋だったものだから、自分の家を持つのも夢の一つだった。26才で東京に出て幡ヶ谷のアパート住まいだったが6万くらいの給料なのに4畳半で4万円くらいの家賃だった。私の師匠が250万円で買った中古の家が何年かで銀行から何千万もの融資を受けられると聴いたのがキッカケで、自分のものにもならないのに家賃を延々と払うのは勿体ないと、東京都内で中古の家を探した。最後に見せられた雑木林に新築している小さい建売りを見て、木の香りや周りの自然が気に入ってしまい後先考えずに買ってしまった。そこは東京ではなく武蔵野の面影残る川越だった。これが間違いの始まりで何千万どころか10年たってようやく1千万円にしかならなかった。ま、それを頭金にしてバス通りの現在の場所に新築出来たのは良かったのだが、若気のいたりで設計ミスも多々あった。なので3階建てになれば今までの不満がかなり解消されることだろう。3度目の夢を託してリスタートが始まった。

Category: つれづれぐさ   |  Comment »


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