夢の第4がん治療

 

「がんワクチン」でがんを制御しつつある待望の第4のがん治療、テーラーメード型【がんペプチドワクチン治療】が11月10日のTBS「夢の扉」で紹介された。31種類の異なるワクチンの中から、それぞれの患者ごとに高い効果が見込まれる3~4種類のワクチンを選んで注射するだけという革新的な治療法。副作用も少なく5分くらいで済むらしい。久留米大学「がんワクチンセンター」のセンター所長、伊東恭梧医学部教授の長年の真摯な研究努力の成果である。

 

◎その仕組みは、人の身体の中で免疫の中心を担当するのはリンパ球でそのうちのキラーT細胞などが中心になって「がん」に抵抗する。T細胞ががん細胞の表面の小さな蛋白質のかけらを見つけ、その蛋白質を目印としてがん細胞を攻撃し、その結果、がん細胞を死へと追いやる。この目印となる小さな蛋白質を「抗原」といい、キラーT細胞はこの抗原の中のごく小さな断片を見つけだす。一般に蛋白は、数百~数千個のアミノ酸でできているが、キラーT細胞が見つけだすのは8から10個のアミノ酸でできた部分。このごく小さな断片を「ペプチド」と呼び、これまでにキラーT細胞ががん細胞を排除する時の目印となる「ペプチド」を200種類以上見つけだしている。この小さなペプチドは人工的に合成することが可能で、体内に投与すると、ペプチドによって刺激を受けたキラーT細胞が活性化し、さらに増殖してがん細胞を攻撃するようになる。この性質を使って「がん」を排除(退縮)させようとする治療法をがんワクチン療法】といい、「ペプチド」を薬剤として使用する治療法が【がんペプチドワクチン療法】


◎ほとんどのがん種に効果がでていて最集段階の臨床試験にこぎつけているが、残念ながら保険適用が認可されるにはまだ2~3年はかかりそうだ。現在脳腫瘍の治験参加者を募集している。

 

ペプチドワクチン事務局のホームページ
http://www.med.kurume-u.ac.jp/med/immun/F/index.html

Category: 体のこと   |  Comment »


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