「日本のがん医療を問う」

 

6月30日の夜、NHKスペシャル「日本のがん医療を問う」を見た。NHKが、がん患者やその家族2500人を対象に行ったアンケートでは、「自分の治療が正しいのか分からない」治療にお金がかかり過ぎて困っている」(実感している)「海外で使われている抗がん剤が日本では承認されず」など様々な不安の声が寄せられた。

2人に1人ががんになる日本。なんの因果か(20歳からの喫煙?)その1人に選ばれた私にとっては身につまされる内容ばかり。私の場合、30~40代にがんが発症しており、62才になるまで大勢のヤブ医者に見落とされて来た。(がんは1~4年で2mm大に成長し、10~24年で1cm大になるのだが、私の場合はなんと4cm大でやっと発見された)。ーー町中に専門医が圧倒的に少な過ぎるのだ。そして肺がんと告知されてもなんの知識も持ち合わせないため、いたずらに死にいたることを心配して本人も家族もオロオロするばかり。心配してくれた友人からセカンドオピニオンにかかるべきとアドバイスを受けても、恥ずかしながら「セカンドオピニオン?ん?なんのこと?」ーー日本の教育は生死に関わる基本的なことさえ教えようとしない。中学の教科書でがんのなんたるかを教育しても良さそうだが・・・

また日本ではがんになった患者を登録する「がん登録」が法制化されておらず、個人情報保護法で情報公開もできないらしい。取材によると「がん登録」していても、転院すると追跡調査ができず「5年生存率」などのデータさえないことが分かった。がんが国民病となり、情報インフラが劇的に進歩している時代に、そんな馬鹿なシステムではなんの検証も、ましてや対策も正しい治療も戦略化出来ないではないか? 要するに自分がその身(がん)にならないと実感できないのだ。今の日本は情けないことにあらゆることに国家戦略が無さ過ぎるのだ。(原発にしても国民年金や消費税にしても、賢い官僚どもが犯した大失敗を穴埋めするために愚民からいかに絞り取るかしか考えていない、としか思えない。)ーー番組の最後に悪性リンパ腫患者が「救える命は救って」と、ゲストの小宮山洋子厚生労働大臣や日本のがん医療の中心を担う施設のトップ、東京国立がん研究センター堀田知光理事長に訴えたが、自信のない表情で聞くだけでむなしく不安に感じたのは私だけだろうか?

Category: 体のこと   |  Comment »


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