Archive for 7月 2013


風立ちぬ

2013年 7月 24日 — 5:21pm

 

◉20日全国ロードショーの【風立ちぬ】は埼玉の川越界隈では〈シネプレックスわかば〉で本日24日が初公開。朝一番で観て来た。矛盾だらけの世の中だけど、それでも未来に向かって精一杯美しく生きねば・・・と。煮えくり返る怒りを恨みつらみではなく、それを超える一途な夢・希望を実現させねばならない、とひたすら美しい映像で訴える。鈴木敏夫プロデユーサーは宮崎駿監督の遺言だと比喩しているが、まさしくその通りだった。

 

◉ジブリ作品には何かと縁がある。5年前の2008年に肺がんが発覚して大学病院で入院治療をしていた時、孫のカノンがポニョの人形を抱いて見舞いに来てくれた。その時ヨチヨチ歩きだったのが今月末には6才になる。宮崎駿監督は【崖の上のポニョ】で生命力の神秘・讃歌を子供にもわかるように映像化し、それから5年かけて青春の生きざまを描き、大人への美しい遺言作【風立ちぬ】を作り上げた。残念ながら小生はその間オロオロウロウロの闘病生活の死に体で何も残せなかった。ただ3年の命を5年に長らえられた活力の一助を沢山のジブリ作品から頂いたことは確かで感謝している。

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三人の天使雲

2013年 7月 13日 — 9:46am

 

◉昨日夕方、7時過ぎに散歩していた時にみつけた三人の天使雲? 5時~6時ならアスファルトがまだまだ熱く、犬は毛皮を着た上に靴も履いていないから可哀相なので夏時間に。でもこの時間でもまだ熱い、犬の夏靴があれば欲しいものだ。

 

◉昨日午前中、再開したゲムシタビンの3回目の1回目だった(26クール目トータル70回目)。8ヶ月間休んで再開した24クール目は熱や激咳の酷い副作用で困ったが、2回目は何事も無く済んだ。その甲斐あってか7月5日のスパイラルCT結果の効果判定は原発巣の最大寸法約26.5mmが23.5mmと3mm小さくなっていた。CEAが13.3と上がって来ているが目立った転移もないのでまだゲムシタビンは効いているようだし、クレアチニンもまずまずなので続けることになった。化学療法室の点滴針を上手く刺して下さる看護師さん達も「中谷さんの自己免疫力は凄いですね」と呆れられているが自分自身が一番驚いている。。そして咳・痰もなくなって呼吸も楽になりQOLは健康体そのものに。この生活がより長く続くようにいつも願っているので夕方の雲が3人の天使に見えたのかも知れない。

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渡辺淳一氏 あなたもがん?

2013年 7月 7日 — 11:22am

左:渡辺淳一氏 右:新釈・からだ事典  I. Frank H Netter 集英社刊

 

◉間もなく80歳を迎えられる作家の渡辺淳一さんが3年前から前立腺がんを患っておられて、必要最低限の抗がん剤で抑えられているとのこと。ブルータスお前もか?の感あり。山本晋也のインタビューのTV画面を見たかぎりでは薬の中にステロイド系があるらしくムーンフェースの症状で顔がかなり丸くなっていた。だが食べて飲んでいたって元気「まだまだ現役で世界中で誰も描いていないシニア世代の性や死に至る過程を描いて絶筆としたい」と健在ではあった。(昨年「愛ふたたび」を新聞連載し現在幻冬舎から出版)

 

◉数ある渡辺作品の中で私が装幀させて頂いたのは「新釈・からだ事典」(1986)、「新釈・びょうき事典」(1996)の2冊がある(共に集英社刊)。「新釈・からだ事典」は特に思い出深い。カバーの紙質を書店で目立つ面白い銀紙で行こうと閃いたため何もかもが面倒なことに・・・。まず、仕上がりイメージを渡辺先生や出版社に見せなければならないがプリンターなどまだなかった。苦肉の策で画材店主に頼みまくってカラーコピー機に現物の銀紙をセットしてもらってカラーコピーを切り抜いてコラージュしたものをコピーしてもらった。が、厚みがあって何回も引っかかりコピー機が壊れそうになって困った。また印刷も白のオペークインクを下地に敷いてから4色刷りの行程になり、インキが乾きにくいために時間が大幅にかかった。資材課から通常の10倍かかると苦情もあったが編集者の方に押し切ってもらって有り難かった。当初この手の単行本は2~3万部出れば成功で5万部出たらパーティーにボーナス出さなきゃと担当部長は約束されていた。狙い通り書店ではやたら目立っていて遠くからでも光っていた。内容が面白いのに加えカバーデザインが功を奏したのか発売1週間で再版が決定し、その後の出足もやたら早く、大日本印刷の担当者が徹夜徹夜の対応に追われたらしい。5万部を遥かに超え嬉しい悲鳴であったらしいがついにパーティーやボーナスも出なかったが今は懐かしい思い出。ただ27年前に多くのFrank H Netterの解剖画の中から右肺をメイン画に選んでいたことは今を暗示させてとても偶然だとは思えず戦慄したが、より一層愛着が湧く1冊となった。

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「人は死なない」

2013年 7月 2日 — 9:26am
「人は死なない」(発行:バジリコ)        「医療のための発信を共に. DO TO DO」August 2012. No. 3.

 

◉最近「人は死なない」と公言している医者がいることをたまたまTVで知った。西洋医学の総本山とも言うべき東京大学医学部教授で臨床最前線・救急外来とICU(集中治療室)を一手に統括する要職にありながら「人は死なないある臨床医による 摂理と霊性をめぐる思索」の著書を世に問うた矢作直樹氏(57才)だ。

 

◉なに~? 医者が「人は死なない」だと? そのタイトルに唖然とし、すぐその真意を知りたく書店で探したが「人は死なない。では、どうする?」(マキノ出版)があったので取り急ぎ読んでみた。

 

◉ご自身の若い頃の不思議な経験や亡くなった母親との再会、 そして何よりも臨床医として間近に人の生と死に接し医学の常識では説明が付かない臨死体験・霊魂の話までを気功家・中健次郎氏と実話を交じえつつ対談した内容であった。

 

◉矢作氏は病院にほとんど寝泊まりし不眠不休で最前線で働きながら、自己の探求心から仕事の性質とは相反するような霊についての研究までこなしている変人だ。辿り着いた結論は

 

「最先端の治療を施しても、寿命が来れば人は死ぬ。
しかし、人の死は終わりではない。

摂理によって人は生かされており、肉体は滅んでも霊魂は永遠に生き続ける。

そして亡くなった人の霊にいつも自分は見守られている。

そのように考えれば、生きている限りは感謝の気持ちを持って生きられ、

死に直面してもあわてずに済むのではないか。」

 

と言う驚くべき内容であった。この世はあの世(霊魂の世界)の表世界とこの世の裏世界の2層構造になっていて、こちらからは見られないがあちらの霊はあなたのすぐ横にいてあなたを見守っていると。

 

◉にわかに信じられない説で、医者の概念から外れたこれらの持論を本で吐露しても、ひょっとして本当にそうなんじゃないかと思わせる説得力があるのが矢作氏の凄さである。超最先端の医学を駆使しつつも両手をかざせば手のひらからピリピリ何か出てスピリチュアル・ヒーリングも出来てしまうのだから、これはもう超人としか言いようがないからだ。

 

◉あり得ないと言ってしまうのは簡単だが、その通りかも知れないと受け入れてしまったほうが納得出来ることが多く(兄は亡くなる前に夢枕で話しかけて来たし、天井から自分を見ていた臨死体験も数例聞いた。ふと横に誰かいるような気になるのは良くある。)幸せなような気もするのだが・・・。

 

写真右:「医療のための発信を共に. DO TO DO」August 2012. No. 3.

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