Category: 仕事のこと


渡辺淳一氏 あなたもがん?

2013年 7月 7日 — 11:22am

左:渡辺淳一氏 右:新釈・からだ事典  I. Frank H Netter 集英社刊

 

◉間もなく80歳を迎えられる作家の渡辺淳一さんが3年前から前立腺がんを患っておられて、必要最低限の抗がん剤で抑えられているとのこと。ブルータスお前もか?の感あり。山本晋也のインタビューのTV画面を見たかぎりでは薬の中にステロイド系があるらしくムーンフェースの症状で顔がかなり丸くなっていた。だが食べて飲んでいたって元気「まだまだ現役で世界中で誰も描いていないシニア世代の性や死に至る過程を描いて絶筆としたい」と健在ではあった。(昨年「愛ふたたび」を新聞連載し現在幻冬舎から出版)

 

◉数ある渡辺作品の中で私が装幀させて頂いたのは「新釈・からだ事典」(1986)、「新釈・びょうき事典」(1996)の2冊がある(共に集英社刊)。「新釈・からだ事典」は特に思い出深い。カバーの紙質を書店で目立つ面白い銀紙で行こうと閃いたため何もかもが面倒なことに・・・。まず、仕上がりイメージを渡辺先生や出版社に見せなければならないがプリンターなどまだなかった。苦肉の策で画材店主に頼みまくってカラーコピー機に現物の銀紙をセットしてもらってカラーコピーを切り抜いてコラージュしたものをコピーしてもらった。が、厚みがあって何回も引っかかりコピー機が壊れそうになって困った。また印刷も白のオペークインクを下地に敷いてから4色刷りの行程になり、インキが乾きにくいために時間が大幅にかかった。資材課から通常の10倍かかると苦情もあったが編集者の方に押し切ってもらって有り難かった。当初この手の単行本は2~3万部出れば成功で5万部出たらパーティーにボーナス出さなきゃと担当部長は約束されていた。狙い通り書店ではやたら目立っていて遠くからでも光っていた。内容が面白いのに加えカバーデザインが功を奏したのか発売1週間で再版が決定し、その後の出足もやたら早く、大日本印刷の担当者が徹夜徹夜の対応に追われたらしい。5万部を遥かに超え嬉しい悲鳴であったらしいがついにパーティーやボーナスも出なかったが今は懐かしい思い出。ただ27年前に多くのFrank H Netterの解剖画の中から右肺をメイン画に選んでいたことは今を暗示させてとても偶然だとは思えず戦慄したが、より一層愛着が湧く1冊となった。

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おれ,ゴリラ。おれ,景品。

2013年 4月 17日 — 1:46pm

             1972年 AD,D 松永真 C.土屋耕一 P.国房魁

 

 

 

 ◉facebookの「ほぼ日刊イトイ新聞」(糸井重里 編集)で、土屋耕一さんの読みものの連載が始るのを知った。土屋耕一さんと言えば1972年(昭和47年)、私が京都から東京に出て来たばかりの頃、明治製菓70周年記念キャンペーンの仕事の打ち合わせで松永先生とご一緒に土屋先生にお会いしたことがあった。確か喫茶店だったが、ご高名は京都の広告代理店に勤めていた時から知っていたので足が震え、テーブルに着く時に段差があってよろけてしまった。あの大きなギョロリとした目が笑っておられたようだった。しばらくたって松永先生から「おれ、ゴリラ。おれ、景品。」のロゴ制作を指示された。その明快なコピーに心酔し、東京に出て来てすぐ大きな仕事を任された緊張とやりがいで大興奮したものだ。

 

◉その景品であったゴリラは今のようなゆるキャラ風ではなく結構リアルだったので、我が家の子供達は喜ぶどころか怖がって寄せつけなかった。なのでこの前に身辺整理したとき捨ててしまったのだがネットオークションで、ナ、ナント298,000円の値がついていた。ウ、ウ、早まったようだ。

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本願寺出版社新書シリーズ

2012年 9月 26日 — 2:53pm

 

昨日本願寺出版社から、この夏に進めてきた新書シリーズの見本2冊が届いた。カバーデザインのフォーマットを担当したシリーズの第1弾・第2弾「やさしい真宗講座-001」「正信偈入門-002」だが、今後も次々と出る予定。私の故郷である京都、それも小学生時代四季折々に庭のように駆け巡った思い出深い西本願寺境内にある本願寺出版社からの依頼と言うことで感無量。5年前にも親鸞上人750回大遠忌手提げ袋デザイン本願寺出版社CI制作に参加できたことは光栄であった。京都ではまだグラフィックデザインの仕事がさほど認知されていなかった46年前にプロを志し現在にいたるが、今までの経験を少しでも故郷に役立てられ次の世代に引き継げればとても幸せだ。

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『Cross Canser Reseach 』

2012年 8月 4日 — 4:13pm

 

◉昨日は19クールの2、52回目のゲムシタビン投与。とうとうクレアチニンや腫瘍マーカートリオが軒並みジワリと上がって来ている。夏場特有の濃度アップだと良いのだが・・・。◉帰りがけに外来化学療法室のS先生から『Cross Canser Reseach No.11』を謹呈していただいた。この雑誌は〈がん治療と緩和ケアの接点〉の医療専門誌である。S先生が〈抗がん剤と支持療法薬剤の基礎知識〉の【服薬指導】をテーマに執筆され掲載されている。内容は、1.レジメごとの服薬指導 2.患者治療日誌に寄る有害事象モニタリング 3.有害事象ごとの服薬指導 についてのお話なのだが、それぞれにパンフレットを患者に判り易く・見やすく工夫して共著のK先生と独自制作され、患者さんに活用してもらって意見を反映し常にバージョンアップを心掛けておられる。◉その3.の【有害事象ごとの服薬指導用パンフレット】をボランティアで小生がディライト制作させていただいているので謹呈していただいた訳。長年のエディトリアルデザインの経験をアドバイスさせて頂いたり、患者の立場で意見を述べデザインを反映させて頂いている。お役に立てて光栄です。

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